『Halo』次作はActivision製に、Xboxは268人削ってあと4分の1

690億ドルで買ったActivisionに、Haloの看板を預ける日が来るとは思わなかった。

要点

  • Xboxが9月22日に追加で268人を削減。次の『Halo』はHalo StudiosではなくActivisionの新チームが開発し、Ninja Theoryは閉鎖に向けた協議に入る。
  • 日本では:Activision製の次作『Halo』は発売日・価格・機種すべて未発表。現行の『Halo: Campaign Evolved』は2026年7月28日にXbox Series X|S・PS5・PCで発売済み、通常版はXbox版7,900円・PS5版7,920円・Steam版7,900円、Game Pass UltimateとPC Game Passにも収録。
  • Halo Studiosは既存作品のサポート役に縮小。『Halo Infinite』など発売済みタイトルの運営は続くとされるが、次の本編を作る顔ぶれが丸ごと変わる。

Xboxのコンテンツ責任者マット・ブーティが9月22日に社内メモを出し、268人を削ると発表した(メモの表現は「268の職」で、PC Gamerは268人の従業員と書いている)。対象はHalo Studios、その他のファーストパーティ、そしてXbox Game Studiosの管理部門。Insider Gamingによれば7月6日にCEOのアシャ・シャルマが「Xbox史上最大の再編」と呼んで3,200人超の削減を打ち出してから、これで2度目の大波ね。Insider Gamingが掲載したメモの原文によれば、7月以降の措置で計画は「およそ4分の3」まで進んだという。

数字だけ見れば、7月に1,600人が切られたとGameSpotが伝えた前回より小さい。でも今回の本題は人数じゃない。

268人の削減より重いのは「次のHaloはActivisionが作る」の一文

メモの中で一番効いているのはここ。次の『Halo』はActivisionが、Call of Dutyの開発とは切り離した「専用に組んだ新チーム」で作る。Halo Studiosには小さなチームだけが残り、コミュニティ対応と発売済みタイトルの運営にあたる。Windows Centralの報道では、この縮小でHalo Studios内のおよそ230のポジションが消える。230がこの268に含まれるかは各社とも明言していない。もし含まれるなら、268の大半がHalo Studios分という計算になる。

GamesRadar+が整理した経緯を借りると、このスタジオは2007年にBungieが独立して以降、343 Industriesの名前でHaloを預かってきた。『Halo 4』『Halo 5: Guardians』『Halo Infinite』、そして『The Master Chief Collection』。2024年にHalo Studiosへ改名して、Unreal Engineで初代を作り直した『Halo: Campaign Evolved』を今年7月28日に出したばかり。PS5でも同日に出していて、国内価格と機種は上の要点にまとめた通り。Xbox版とPS5版はいま2割引で、PS5版は10月7日まで6,336円。

HALO公式チャンネルの『Halo: Campaign Evolved』ローンチトレーラー。Halo Studios名義で出た最初で、いまのところ唯一の新作がどう仕上がったかを見られる。

その「新生Halo Studiosの第一作」から2か月弱で、次作を作る権利ごと外に出された。

Activision社長ロブ・コスティッチは「史上最高のHaloを作る」と宣言している。言うのは自由よ。ただ、Activisionは年1本のCall of Dutyを回すために組織を最適化してきた会社で、Haloのようにキャンペーンと世界観で売るシリーズを、CoDとは別の予算と別の人員で本当に育てられるのか。「CoDと切り離す」という一文をわざわざメモに入れたのは、社内でも同じ疑問が出ているからだと読んでいる。

Activisionが年1本の稼ぎ頭をどう回しているかは『MW4』の記事で書いた。その会社にHaloを渡した判断が正しかったかどうかは、10月6日のタウンホールでも分からない。

約3年前に690億ドルで買った側が、買われた側に飲まれていく

ActivisionがもらうのはHaloだけではない。『Sea of Thieves』のRareと、『Age of Empires』のWorld’s EdgeもActivisionの監督下に入る。ObsidianはBethesdaの傘下へ移り、『Grounded』と、Bethesdaと組む新しい『Fallout』の作業を続ける。PlaygroundとTurn 10は1つのスタジオに統合され、『Forza』と『Fable』に集中。そしてスマホの『Candy Crush』を作るKingが、Microsoft Casual Gamesを引き取る。

これを並べると、Kotakuが引いたニューヨーク大学スターン校のヨースト・ファン・ドリューネン教授の言い方がいちばん腑に落ちる。「Xboxが大金をはたいて買収したパブリッシャーが、いまやXboxが育てたスタジオを吸収している」。Microsoftは約3年前に約690億ドルでActivision Blizzardを買った。買った側が、買った相手に看板を渡している。

2023年のActivision Blizzard買収から2026年10月6日のタウンホールまで、Xboxの再編の流れを4段階で示した年表
買収から約3年で立場が逆転した。Loot Times作成

Kotakuの別記事は、Xbox Game Studiosの傘下がかつて12以上あったのに5未満になったと書いている。Windows Centralの整理では、残るのはTurn 10を吸収したPlayground、『Gears of War』のThe Coalition、InXile、そして小島秀夫の『PHYSINT』などを抱えるパブリッシング部門。以前『PHYSINT』がPlayStationからXboxへ移った話を書いたけれど、受け皿になったXbox Game Studiosの側が、Kotakuの言う「12以上から5未満」まで、7月の再編発表からの3か月足らずで骨組みだけになった、というのがわたしの整理ね。

ここは素直に評価しておく。Obsidianの新『Fallout』は、シリーズの本家Bethesdaと同じ屋根の下に入るのが正解だと思う。『Fallout: New Vegas』を作ったチームがBethesdaと正式に組む形は、ファンがずっと望んでいた配置だし、GroundedもBethesdaのライブ運営の知見で伸びる余地がある。全部が悪い話ではない。

行き先未定はNinja TheoryとArkaneの2社、出て行った3社は存続、ただしUndead Labsは人員減

9月22日の発表でHalo Studios、Obsidian、Playground、Ninja Theory、Arkane Lyon、Double Fineなど各スタジオがどこへ移るかを6枚のカードで示した図
スタジオごとの行き先。Loot Times作成

いちばん後味が悪いのはNinja Theoryね。『Hellblade』の英国スタジオは売却先を探していたのに、ブーティのメモは2件の合意が「不成立に終わった」と認め、閉鎖を前提にした従業員との協議を始めると書いた。GameSpotによれば、英国法で義務づけられた協議に入りつつ、代替案の模索は続けるという。Windows Centralは、MicrosoftがHellbladeのIP込みでなお買い手を探していると報じている。2回まとまらなかった交渉が3回目でまとまる根拠は、いまのところ示されていない。

『Dishonored』のArkane Lyonは、フランスの労働法に基づく協議が年末まで続き、結論は出ていない。決まっていないのはこの2つだけで、ほかは行き先が確定した。

売られた側に目を向けると、実は明るい話が並ぶ。Undead Labsは新しいパブリッシャーを見つけ、『State of Decay 3』はそれでもGame Passに初日から入る。Double FineとCompulsion GamesはIPと資金を持ったまま独立に戻った。ただしKotakuは、Undead Labsが独立と同時にレイオフを行ったとも伝えているから、手放しの朗報ではない。それでも「Xboxを出た方がまだ作り続けられる」という構図が3社続いた事実は、残ったスタジオの士気にどう響くのかしら。

残り4分の1の答え合わせは10月6日、日本のプレイヤーが失うのは「次作の見通し」だけ

ブーティは10月6日の社内タウンホールで進捗を振り返ると書いている。「4分の3」が終わったなら、残り4分の1に何が入っているのかがそこで見えるはず。Insider Gamingの整理では削減はFY27を通じて続く計画だから、年内にもう一波来る可能性は消えていない。

日本の読者に直接関係する部分をはっきりさせておく。いま手元にある『Halo Infinite』や『Campaign Evolved』が止まるという話ではない。Halo Studiosに残る小チームが「発売済みタイトルの運営」を担うと明記されている。変わるのは、次の本編を作るのがどこか、そしていつ出るのかが完全に白紙になったこと。Activision製Haloの発売時期も、価格も、PS5で出るかどうかも、何ひとつ出ていない。

Halo Studiosの改名から約2年、初代リメイクから2か月弱で次作の主導権が動いた。Activisionの「専用チーム」がいつ、どのエンジンで、どの機種向けに作るのかを、Activision自身が語るまでは、この話を「Haloの再出発」と呼ぶのは早すぎる。分析家のセルカン・トト氏がKotakuに「Project Helixは絶対に当てなければならない」と言ったのはそういうことで、次世代Xboxのコードネーム「Project Helix」が先に決まって、看板ソフトを作る家がまだ決まっていない。分かるのは、Activisionが作るHaloの最初の映像が出た日ね。

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出典