『時のオカリナ』11月5日、GTA6の2週間前に60ドルでぶつける

発売日より1週間早く、本体だけが店頭に並ぶ。

要点

  • 9月8日のゼルダ40周年Directで、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のNintendo Switch 2版が11月5日発売と発表された
  • 日本では:2026年11月5日(木)発売、パッケージ版8,980円/ダウンロード版7,980円(税込)、Nintendo Switch 2専用
  • いつでもジャンプ・ダッシュ・フルボイス・鼻歌でのオカリナ演奏など、遊びの手触りそのものに手が入る。原作そのままの移植ではない

9月8日に配信された30分のゼルダ40周年Directで、任天堂は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のNintendo Switch 2版を11月5日に発売すると告げた。ところが同じ番組で公開された40周年エディションのSwitch 2本体とProコントローラー2は、10月29日発売。ソフトより7日早い。しかも現時点で、この本体にソフトが同梱されるという説明はどこにも出ていないのよね。

さらに11月19日には『GTA6』が控えている。27分の実機映像で世界を黙らせた怪物の、わずか14日前。そこに任天堂は、1998年のニンテンドウ64ソフトを作り直したものをぶつけてきた。この番組の予告を扱ったとき、わたしは30分で何を出すのかと書いた。答えは、日付と価格と実機映像と映画を全部、だった。文句なしに合格点ね。

10月29日・11月5日・11月19日、この3つの日付が全部を語っている

2026年6月9日のリメイク初公開から、10月29日の40周年エディション本体、11月5日の時のオカリナ発売、11月19日のGTA6発売までを並べた年表
本体を先に出し、ソフトを1週間後に置き、その2週間後にGTA6が来る。Loot Times作成

リメイクの存在自体は新情報ではない。6月9日のNintendo Directで公開済みで、あのときは発売時期が伏せられていた。3か月ぶりに返ってきた答えが11月5日だったわけだけれど、この日付の置き方には露骨な意図がある。

ハードを先に売って財布を一度開かせ、7日後にソフトで刈り取る。年末商戦の初速をハードとソフトの二段で取りに行く、教科書どおりの並べ方よ。そして14日後にRockstarの本命が来ることを、任天堂が知らないはずがない。正面衝突を避けながら、11月の最初の2週間だけは独り占めできる場所を選んだ。狡いけれど、賢い。

GameSpotも発売日がGTA6の直前であることを見出しに立てていたし、この14日差はもう英語圏でも共通の読み筋になっている。逆に言えば、11月19日を過ぎたら話題の主役は変わる。任天堂に許された晴れ舞台は、実質2週間ということでもあるわけ。

60ドルは強気ではなく、むしろ引いた値付け

マリオカート ワールド80ドル、バナンザやポコピア70ドル、時のオカリナのパッケージ版70ドルとダウンロード版60ドル、スターフォックス50ドルを比較した価格表
Switch 2独占ソフトの米国価格。時のオカリナは中位に置かれた。Loot Times作成

ダウンロード版60ドル、パッケージ版70ドル。GamesRadar+によれば、この価格はオーストラリアのニンテンドーストアの商品ページから先に漏れていたそうで、つまり任天堂自身が発表前に出してしまった格好ね。間抜けだけれど、おかげで数字は早く確定した。

比べてみると位置がよく分かる。マリオカート ワールドは80ドル、ドンキーコング バナンザやポケモン ポコピアは70ドル、スターフォックスは50ドル。28年前のソフトのリメイクに80ドルを付ける度胸は、さすがの任天堂にもなかったということ。ここは素直に良心的だと言っていい。

国内は任天堂の製品ページでパッケージ版8,980円、ダウンロード版7,980円と出ていて、こちらもきっちり1,000円差。ただしパッケージ版の70ドルには首をかしげる。箔押しのジャケットが付くとはいえ、同じ中身に10ドルの差を付ける根拠としては弱い。物理で棚に飾りたい人の気持ちを、きっちり10ドルで換金しに来ているわね。

ジャンプボタンが付いた『時のオカリナ』を、原作組は許せるか

今回いちばん驚いたのは、遊びの手触りに手を入れてきたこと。いつでもジャンプできるようになり、走り込みからの前転が入り、カメラは全方向に回り、照準はモーションでも合わせられる。カットシーンは全編フルボイスになり、昼夜の変化は町の中にまで及ぶ。ロード時間も詰められている。

極めつけは、現実で鼻歌を歌うとその音程がゲーム内に取り込まれ、リンクがオカリナで吹いてくれる機能。しかも専用のオカリナ本体まで別売りで出すという念の入れよう。

ここは笑うところではなく、褒めるところだと思う。オカリナを吹くという体験を、コントローラーの十字キー入力から現実の呼気に引き戻したわけだから。40周年の記念企画として、これ以上に筋の通った飛び道具はそうそう出てこない。

一方で、ジャンプの追加には引っかかりが残る。あの時代の3Dアクションが自動ジャンプだったのは技術的な妥協でもあったけれど、結果として「段差の前で立ち止まる」という緊張感がダンジョンの設計に組み込まれていた。快適になるのは間違いない。快適さと引き換えに何が薄まるのかは、11月5日に触るまで誰にも判定できない。Nintendo Lifeは、デクの樹の中やハイラル平原の切り替え画面が原作の体験を残すためにあえて据え置かれていると伝えていて、任天堂も線引きには相当悩んだ形跡がある。

Nintendo of America公式チャンネルのこの映像では、作り直されたハイラル平原とコキリの森、そして表情が付いたカットシーンが確認できる。公開から1日足らずで450万回を超えて回っていて、番組の主役がどれだったのかは再生数がそのまま答えになっているわね。番組内では青沼英二が自ら実機を触って見せる場面もあり、映像だけの発表で済ませなかった点も評価しておきたい。

映画は2027年4月30日、40周年の本番は来年に置かれた

Directで出たのはソフトの話だけではない。実写映画『ゼルダの伝説』は2027年4月30日公開と発表され、ロゴだけが披露された。映像はなし。宮本茂は、副題が付いていない理由は映画を見れば分かると説明している。

コンサートツアーは2027年1月に日本から始まり、2月にシカゴ、その後に欧州と豪州へ。若い頃のリンクとゼルダのamiiboも2027年。ニンテンドーミュージアムのマスターソード撮影スポットは、ソフトと同じ11月5日に登場。40周年の限定チケットの受付は9月9日、つまり今日から動き出している。

並べてみると妙なことに気づく。シリーズ1作目が出たのは1986年2月で、記念日はとっくに過ぎている。それなのに祝いの本体は10月、ソフトは11月、映画は翌年の4月30日。これは40周年というより、40周年から41年目にかけての1年をまるごと使う商売の設計図ね。記念日に間に合わなかったのではなく、最初から1年かけて売るつもりだったのだと考えたほうが辻褄が合う。

そして、いちばん肝心なところが空白のまま残されている。10月29日発売の40周年エディションSwitch 2は、価格が出ていない。ソフトが同梱されるかどうかも明言されていない。10月29日に本体を買った人が、11月5日にもう一度60ドルを払う必要があるのか。任天堂はまだ、その一行を書いていない。

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出典