ゼルダ40周年Directが9月8日、誕生日から半年遅れの30分で何を出すか

初代『ゼルダの伝説』がファミコンディスクシステムで世に出たのは1986年2月21日。つまり40周年の誕生日は、もう半年以上前に過ぎている。それでも任天堂が記念のDirectをぶつけてきたのは9月8日だ。2月には何もやらず、夏も黙って、シリーズの節目を秋の商戦カレンダーに合わせて置き直した。祝う気がないのではなく、祝う日を自分の都合で決めているということね。

そして翌9月9日には通常のNintendo Directが続く。2日連続、合計75分。これは記念行事ではなく、年末に向けた在庫の総ざらいだと考えたほうがいい。

9月8日は約30分、9月9日は約45分。時刻はどちらも日本時間23時

Gematsuが伝えた内容によれば、『ゼルダの伝説』40周年Directは9月8日の太平洋時間午前7時/東部時間午前10時/UTC 14時開始で、尺は約30分。日本からだと9月8日の23時からということになる。翌9日の通常Directも同じ時刻で、任天堂の欧州公式ページには英国時間15時開始・約45分と明記されている。

この2本目のほうが、実は読みどころが多い。任天堂自身が公式ページで「Nintendo Switch 2にこの冬登場するゲーム」に絞ると書いているからだ。9月のDirectで初代Switchの名前が出てこない告知文というのは、ちょっと前まで考えられなかった。

ゼルダ40周年に関する4つの日付の年表。2026年2月21日に初代発売から40年、6月9日にオカリナ・オブ・タイムのリメイク発表、9月8日に40周年Direct、9月9日に通常Directが並ぶ
記念日は2月、Directは9月。この半年の空白が今回のいちばん妙な点。Loot Times作成

初代Switchは2027年2月に欧州で棚から消える

Nintendo Lifeが7月6日に報じたとおり、任天堂は2027年2月中旬をもって、欧州の小売向けにNintendo Switch・Switch Lite・Switch有機ELモデルの出荷を終える。2017年3月の発売からほぼ10年。理由は懐かしさでも世代交代でもなく、EUの電池規制だ。2027年2月に施行される、携帯機器のバッテリーを利用者が交換できるようにしろという法律に、10年前の設計は適合しない。

ただしVGCが確認したところでは、これは欧州限定の話で、任天堂は欧州法人の管轄外では初代Switchを売り続けるとしている。だから「Switchが死んだ」と書くのは早い。それでも、告知文がSwitch 2だけを名指しする理由としては十分すぎる。

ここが引っかかる。40周年という一番「懐かしさ」で売れる企画を、任天堂は旧ハードのラストイヤーではなく新ハードの初年度に寄せてきた。

2368万台という数字が、Directの中身を決めている

GamesRadar+が8月6日に伝えた決算数値では、Switch 2の累計販売は2368万台。直近四半期だけで382万台売れており、発売から1年25日でゲームキューブの生涯記録2174万台を追い抜いた。ゲームキューブが5年かけて積んだ数字を、13か月で越えたことになる。次の標的はNINTENDO64で、あと925万台。

ハードは走っている。走っていないのはソフトだ。同じ集計でSwitch 2用ソフトの累計は5817万本、つまり1台あたり2.5本しか売れていない。ゲームキューブが生涯で2億858万本を売ったことを思えば、本体だけが先行している構図がはっきり見える。9月9日のDirectが「この冬のSwitch 2タイトル」に絞られているのは、そこを埋めにいく作業そのものね。

2連続Directで確定している情報の一覧表。40周年Directは9月8日23時から約30分、通常Directは9月9日23時から約45分でSwitch 2の今冬タイトルが対象、Switch 2累計2368万台、オカリナ・オブ・タイムのリメイクは2026年内で日付未定、実写映画は2027年4月30日
推測を混ぜず、公式と決算で裏の取れているものだけを並べた。Loot Times作成

『オカリナ・オブ・タイム』リメイクは6月から3か月、まだ日付がない

30分のうち大半を持っていくのは、まず間違いなく『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のSwitch 2向けリメイクだろう。VGCによれば、これは6月9日のNintendo Directで発表され、Switch 2独占・2026年内としか告知されていない。ティザー映像1本と画像1枚。開発元も価格も伏せられたままだ。

年内と言っておいて9月に入っても日付がないというのは、普通に考えれば11月か12月。40周年Directを9月8日に置いたのは、記念日に義理立てするためではなく、発売日を出すのに一番都合のいいタイミングがここだったから、と読むほうが自然でしょ。

Nintendo of America公式チャンネルに上がっている6月9日の発表映像。ここで見られるのは短いティザーだけで、戦闘もダンジョンも出てこない。3か月経ってもこれ以上の素材が公開されていないこと自体が、9月8日への期待値をつり上げている。

実写映画は2027年4月30日、予告編を出すならここしかない

もう一枚のカードが実写映画だ。ソニーと任天堂の実写『ゼルダの伝説』は、2027年5月7日公開の予定から1週間繰り上がって2027年4月30日になっている。VGCの見出しは、一度延期されたものが今度は前倒しされた、という順序をそのまま書いている。日程が二転三転したのは事実として押さえておきたい。

公開まで残り8か月弱。宣伝の常識で言えば、最初の予告編を投下する時期としては遅くもなく早くもない。40周年Directという「シリーズ全体の場」は、ゲームの映像とフィルムの映像を同じ30分に同居させられる、年に一度あるかないかの器でもある。

もっとも、任天堂が映画を一切出さずにゲームだけで30分を埋める可能性もそれなりにある。この会社は「記念Direct」と銘打っておきながら中身が移植とアップデートだけ、という回を何度もやっている。期待の置きどころは慎重にね。

75分で答えが出ない問いが、少なくとも2つ残る

褒めるべきところは褒めておく。2日に分けたのは正しい判断だ。40周年の懐古と、この冬のSwitch 2ラインナップは、客層も温度も違う。9月3日にState of Playとコナミの配信が2時間差で重なった件を見たあとだと、自分の発表同士をぶつけない設計はそれだけで好感が持てる。任天堂は旧作を無料アップデートで延命させる手つきも相変わらず上手い。

それでも解けていないことがある。ひとつは、初代Switchの扱いだ。欧州以外では売り続けると言いながら、9月のDirectは告知文の段階でSwitch 2しか名指ししていない。まだ1億5000万台以上が世界の家にある機械を、任天堂はいつ、どういう言葉で手放すつもりなのか。

もうひとつは40周年そのもの。2月21日を素通りして9月に持ってきた以上、この30分は「40年分の総括」ではなく「今冬の商品説明」になる可能性が高い。シリーズの歴史をきちんと祝う気があるなら、9月8日23時の最初の5分でそれが分かる。逆に、いきなり発売日から入ってきたら、40周年という看板は結局のところ値札だったということね。

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