マッツ・ミケルセンがまた小島秀夫の隣(『Death Stranding』)にいるのかと思ったら、立っていたのは『Modern Warfare 4』のプライス大尉の正面だった。
要点
- Xbox のTGS 2026放送で『Call of Duty: Modern Warfare 4』のキャンペーントレーラーが初公開され、敵役としてマッツ・ミケルセンがサプライズ登場した。
- 日本では:2026年10月23日(金)発売(国内PS Storeは22日表記。ずれの理由は未確認)、PS5 / Xbox Series X|S / PC / Switch 2。秘蔵版は国内PS Storeで13,200円(CERO Z)。スタンダード版とSwitch 2版の国内価格は本稿時点で確認できず(米国ではスタンダード69.99ドル)。
- デジタル版を予約するとキャンペーンだけ先に遊べる。国内の公式表記では10月17日から(英語圏では16日表記)。ディスク版は対象の記載なし。発売時にGame Passには入らない。
正直に言うと、わたしはこの敵役の起用を「またハリウッド俳優でお化粧か」と斜めに見るつもりだった。『Death Stranding』のクリフ、『ハンニバル』のレクター、どちらも顔の圧で場を持っていく人で、CoDのキャンペーンにそれを持ち込むのは、脚本が弱いときに保険をかける手口に見えるからね。
ところがトレーラーを2回見て、考えを改めた。今回のキャンペーンで一番危ういのはミケルセンじゃなく、プライス大尉のほうだ。
敵の正体は伏せて36日引っ張る、揺れているのはむしろプライス
トレーラーはXboxがTGS 2026に合わせて配信した放送の中で流れた。GameSpotはミケルセンの登場をサプライズの公開だったと伝え、Insider Gamingは彼の役どころを名前の出ていない敵役と書いている。Activision自身の説明文は、正体不明の兵器が「The Archer」と呼ばれる危険な敵の手に渡ろうとしている、という言い方に留めていて、ミケルセンがそのArcher本人だとは公式には結びつけていない。映像を見る限りそう考えるのが自然だけれど、本名も所属も伏せられたままだ。
Insider Gamingが書き起こした台詞は、プライスに向けて「When everything and everyone you care for dies in ways you can’t imagine」と言い放つものだった。13語。これだけで敵役の格を立てて、公開日の米国時間9月17日から発売の10月23日までの36日間を持たせる算段でしょう。名前を伏せた悪役で引っ張る手口そのものは珍しくない。ただ、あの声で言われると効く。この点は認めるしかない。
肝心なのはプライスの立ち位置。Insider Gamingの整理では、プライスは独自に動いてカルテル側と手を組み、ゴースト率いるタスクフォース141がそのプライスを追う構図になっている。5月の発表時にDestructoidが伝えたところでは、スタジオの責任者たちが冗談めかして「Dark Price」と呼ぶ、髭を伸ばして髪の乱れたプライスは、相棒ソープを失った後で復讐に動いた結果だという。元味方と衝突し、元敵(『MW2』のバレリア)と組む。わたしの知る限り初めて「プライスが正しいのか分からない」状態で進むわけで、リブート版の4作目にしてようやく主人公を揺らしてきた。
Call of Duty公式チャンネルのキャンペーントレーラー。ミケルセン演じる敵役がプライスと向き合う場面と、朝鮮半島から世界各地へ広がる作戦の様子が見られる。
舞台は朝鮮半島、視点は18〜25歳の「下っ端」
もう1本の軸が、北朝鮮の全面侵攻で朝鮮半島に戦争が起きる、という筋だ。5月の発表時にDestructoidが伝えたInfinity Wardのジャック・オハラの発言では、2007年と2009年以来久しぶりに「grunt perspective」、つまり下っ端の兵士の視点に戻り、18〜25歳の若者を描くのだという。主人公は若い韓国海兵隊員と米軍だ。プレイヤーが操作する新キャラのパク二等兵を演じるのは、『BEEF/ビーフ』と『The Last of Us』のヤング・マジーノ。日本のPlayStation Blogも、パクを「韓国軍の若き一般兵」と紹介している。
Kotakuのまとめによると、キャンペーンはオフラインでも遊べて、北朝鮮兵の視点で進むミッションもあるという。ここは褒めたい。CoDのキャンペーンは長らく「アメリカとイギリスの特殊部隊が世界を救う」以外の視点を持たなかった。Insider Gamingが書くとおり、朝鮮半島はゲームでほとんど扱われてこなかった舞台で、そこに侵略される側の新兵を置いたのは、シリーズとしては珍しく腰の据わった選択だと思う。
一方で、現実に休戦状態の半島を「全面戦争」として描く以上、レーティングとは別の次元で、題材そのものへの受け止めが日本と韓国では欧米と違って当然だ。Infinity Wardがそこをどこまで真面目に扱うかは、これまでに出た映像では判断できない。

「6日早く遊べる権利」を予約特典として売る
ここから先は財布の話。発売日は2026年10月23日(金)で、デジタル版を予約するとキャンペーンだけ日本時間10月17日(土)から先に遊べる。Activisionの日本語サポートページでは早期アクセスは「全デジタルエディション」の予約特典として載っていて、ディスク版の欄にはゲーム本編としか書かれていない。日本語の公式表記(Activisionの日本語ブログ・サポート・PS Store)はいずれも10月17日、Xboxの日本語ページと英語圏の媒体は10月16日と書く。時差によるものだとわたしは見ているけれど、公式の説明は無い。日本時間で数えれば6日分の先行で、Windows Centralは10月16日開始として「1週間早い」と伝えている。
価格は、Insider Gamingの整理でスタンダードが69.99ドル、秘蔵版(Vault Edition)が99.99ドル。国内PS Storeの秘蔵版は13,200円で、レーティングはCERO Z(ストア上の発売日表記は10月22日で、公式ブログの10月23日と1日ずれている)。スタンダード版の国内価格は、本稿時点で確認できたのが秘蔵版の数字だけで、Activisionの日本語ページにも円建ての記載が無い。Activisionの公式ブログでは、スタンダードから秘蔵版への差額アップグレードは30ドルで、秘蔵版のみ10%のロイヤルティ割引が付く。
秘蔵版の中身は、プライス・バレリア・ゴースト・ブリックスの「敵対同盟」オペレーターパック4体、特殊部隊オペレーター4体、武器5丁の設計図、BlackCellバトルパス1シーズン分(ティアスキップ20、1,100 CODポイント)、それにDMZの出撃ボーナス。30ドルの差額で買うものとしては例年並みで、褒めも貶しもしにくい。ただ、シングルの体験だけ6日分切り出して予約の景品にする売り方は、発売日に買う客を後回しにしているのと同じで、わたしは好きじゃない。

初日Game Passから外れたCoD、Switch 2では初のCoD
Activisionは5月の公式ブログで、本作が発売時にGame Passで提供されないことを明記した。日本語ブログでも同じ文言が載っている。Kotakuはこの件を一言「Nope!」で片付け、サブスクの値下げのためにXboxが今後のCoDを初日提供から外したのだと説明している。今後のCoDが初日提供から外れるわけで、サブスクの目玉を自分で外した格好。Game Pass Ultimateの値段を払ってきたXboxユーザーが一番損をする構図ね。
その代わり、Switch 2向けとしては初めてのCoDになる。Switch 2版は8月27日から先行予約が始まり、Switch 2版のオープンベータも8月29日から9月2日まで開催された。Kotakuの見立てでは60fpsで動くものの、画質面ではかなり削っているとのこと。据え置きで遊ぶ人には物足りない可能性が高いけれど、携帯モードで『CoD』のキャンペーンが遊べる意味は大きい。ここは素直に評価する。
マルチは6v6マップ12種にKill Block、ゾンビの枠にはDMZが復活
マルチは新規の6v6マップ12種に加えて、動的に構造が変わる「Kill Block」を投入し、Kotakuによると組み合わせは500通り以上。ゾンビの枠には脱出型のDMZが復活する。チート対策については8月に375のチート組織を止めたと発表した件で書いたとおり、Activisionは相当に本気で、その成果がMW4のマルチでどう出るかが本番だ。
『GTA6』の27日前、10月の渋滞のど真ん中に出す
発売日そのものが一番の賭けかもしれない。PC Gamerは9月18日の記事で、『GTA6』の11月発売を避けて大型作が10月に雪崩れ込み、『Ace Combat 8』『Gears of War: E-Day』『Star Wars: Galactic Racer』と本作が同じ月にひしめく状況を「massive bottleneck」と表現している。『GTA6』の発売は11月19日だから、MW4はその27日前。10月に大型作が集中した背景に『GTA6』回避がある、というのがPC Gamerの見立てで、MW4はその渋滞の真ん中に自分の定位置で座っている格好だ。
とはいえ、CoDは毎年出る側のブランドで、『GTA6』の初週に食われても年末までにマルチで取り返せる体力がある。むしろ苦しいのは、同じ10月に押し出された中堅どころのほう。
残った疑問は3つ。Archerの正体をActivisionが発売前に明かすのか。スタンダード版の国内価格がいつ出るのか。そして、朝鮮半島の戦争を「下っ端」の視点で描くと言った5月の約束を、ミケルセンの顔でハリウッド映画に塗り替えてしまわないか。10月17日にキャンペーンを先に遊べる人が、この3つ目にどう答えるかを、わたしは一番聞きたい。
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出典
- GameSpot: Mads Mikkelsen Appears In CoD: Modern Warfare 4 Campaign Trailer
- Insider Gaming: Mads Mikkelsen Revealed As Modern Warfare 4 Antagonist
- Gematsu: Call of Duty: Modern Warfare 4 ‘Campaign’ trailer
- Destructoid: Modern Warfare 4’s campaign features a disturbingly possible Korean-themed conflict
- Kotaku: Everything We Know About Call of Duty: Modern Warfare 4
- PC Gamer: GTA 6 has turned October into a new release bloodbath
- Activision公式: All Game Editions and Pre-order Benefits Detailed
- Activision公式(日本語): Switch 2版の先行予約とベータ
- PlayStation Store(日本): Modern Warfare 4 秘蔵版
- Insider Gaming: All Call of Duty: Modern Warfare 4 Pre-Order Prices, Editions & Rewards
- Windows Central: early access to the campaign becomes a preorder bonus
- PlayStation Blog(日本): 『Call of Duty: Modern Warfare 4』が10月23日(金)PS5で発売決定
- Xbox(日本語): Call of Duty: Modern Warfare 4
- Activisionサポート(日本語): Modern Warfare 4 各エディション