87、86、82。コナミが『サイレントヒル』を蘇らせた2024年からの3年で、有料の新作3本の批評家平均点は、1本出るたびに下がっている。
要点
- 『SILENT HILL: Townfall』のレビューが9月21日に解禁。OpenCriticの集計は31件で平均82点、批評家の90%が「推薦」。『2』リメイク87点、『f』86点に続く3作目で最低。
- 日本では:2026年9月24日(木)発売。PS5/Steam/Epic Games Store、パッケージ版はPS5のみ、発表済みの機種にXboxは無い。スタンダード7,480円、デラックス8,580円(税込、48時間早期アクセス付きで計算上は22日から遊べる)。CERO D。
- プレイヤーにとって:シリーズ初の全編一人称視点。舞台の作り込みは主要媒体のほぼ全てが褒め、点を下げた最大の理由は後半のステルス。買う前にそこを知っておけば失望は減る。
先に言っておくと、82点は悪い数字じゃない。OpenCriticの区分では『2』リメイクと『f』が付けた「Mighty」に次ぐ「Strong」で、全ゲームの上位14%に入る。ただ、コナミが2024年から並べてきた有料3作の中では、確実に一番低い(無料の短編『The Short Message』は別枠。理由は後述)。今日はその「一番低い」の中身を数字で分解する。
平均82点は復活3作で最低、でも推薦率90%は『f』の88%より高い
比較の物差しはOpenCriticにそろえる。2024年10月8日の『サイレントヒル2』リメイク(Bloober Team)が平均87点・推薦94%、2025年9月24日の『SILENT HILL f』が86点・88%、そして今回の『Townfall』が82点・90%。無料の短編『The Short Message』(2024年1月31日)は55点・推薦31%で、これは同じ土俵に乗せるべき規模の作品ではないので「復活3作」からは外している。

面白いのは、平均点では『f』に4点負けているのに、推薦率では2ポイント勝っている点ね。平均点は「どれくらい良いか」、推薦率は「何人が薦めるか」で、別の指標。推薦率が高いのに平均が低いというのは、わたしの読みでは、極端に高い点と極端に低い点の両方が少ない分布ということ。「これは薦められない」と切った媒体がほとんどいない、という形になっている。
ただし件数が違う。『2』リメイクは163件、『f』は187件が集まった数字で、『Townfall』はまだ31件。発売後に中小媒体の点が積み上がると、平均は数点動く。この記事の数字は「解禁初日の暫定値」として読んでほしい。
PC Gamerは絶賛、VGCは辛口。割れた主因は後半のステルス
個別に見ると、評価の温度差がかなり大きい。PC Gamerは89点で、CRTV(携帯ブラウン管テレビ)を使った謎解きを絶賛し、新旧のちょうどいい配合だと締めた。GameSpotは8/10、Game Informerは8.25/10。一方でVGCは星3つ(5点満点)、Push SquareとInsider Gamingはそろって7/10。採点方式が媒体ごとに違うので数字を横に並べて優劣は言えないけど、高い側と低い側で言っていることは驚くほど一致している。
褒めているのは全員同じ場所。1996年のスコットランドの孤島セントアメリアという舞台。VGCはこの町を、シリーズ史でも屈指の作り込みだと評し、GamesRadar+は音響設計の良さと「ちゃんと怖い」ことを推した。ここは誰も疑っていない。
けなしているのも同じ場所。後半のステルス。VGCは「The Weight」という敵に追い回される区間を「deeply frustrating」と切り、GamesRadar+も後半は「wearingly stealth heavy」だと書いた。Game Informerは敵の検知が一貫せず、セーブの読み直しが頻発すると指摘し、GameSpotは逆に終盤は物資が余って緊張が緩むと書いている。つまり、前半の緊張を後半のステルスが台無しにするか、それを許せるかで点が動いている。ただし7/10を付けた2媒体の減点理由は少し違って、Push Squareは戦闘の単調さと敵の種類の少なさ、そしてCRTVが後半どうでもよくなる点を挙げ、Insider Gamingはパズルの不親切さと技術的な問題を挙げている。ステルスは最大公約数であって、唯一の不満ではない。
不安材料も1つ。Insider Gamingは発売前ビルドでクラッシュと進行不能バグに当たったと報告している。発売日パッチで潰れているかは、まだ誰にも分からない。
シリーズ公式チャンネル「SILENT HILL (Official)」が公開したローンチトレーラー。一人称視点のセントアメリアの街並みと、CRTVで敵の気配を探る場面が見られる。
クリア時間は10時間から14時間、媒体で4時間ぶれる。原因はステルスか
プレイ時間の申告がこれだけ割れるのも珍しい。Push Squareは約10時間、PC Gamerは13時間、GameSpotは14時間。PC Gamerに至っては、そのうち35分5秒をロッカーの中で隠れて過ごしたと書いている。差の正体はおそらくステルスで、敵に見つかってやり直す回数がそのまま時間に乗る。ホラーが苦手な人ほど長くなるゲームだと思っておいたほうがいい。
エンディングは5つ、うち2つは隠し(Insider Gaming)。GamesRadar+は話の全貌を掴むには周回が要るとしてNew Game Plusを勧めていて、Push Squareのレビュアーは1周では出来事を全部は理解できなかったと正直に書いている。1周10時間で「分かった気にならない」設計は、シリーズの伝統ではあるけれど、人を選ぶ。
日本は9月24日、7,480円。デラックスなら計算上は22日から入れる

国内の条件は珍しく明快。発売日は2026年9月24日(木)で、PS5とSteam、Epic Games Storeの3プラットフォーム。パッケージ版はPS5だけ。価格はスタンダードが7,480円、デラックスが8,580円(いずれも税込)で、デラックスには48時間のアーリーアクセスが付く。計算上は9月22日の同時刻から遊べる。米国ではPC Gamerによれば税抜50ドル。概算で1ドル150円とすれば7,500円だから、税込7,480円の国内価格は上乗せなしの部類ね。
発表されている対応機種にXboxは含まれない。PS5の機能を全部使い切る設計(DualSenseのハプティック、モーションセンサーでCRTVのチューニング、3Dオーディオ、レイトレーシング)をPlayStation Blogが前面に出しているとおり、少なくとも発売時点ではソニー寄りの1本として出てくる。
版元の名義も面白い。PlayStation Blog JPの表記では、パブリッシャーにコナミデジタルエンタテインメントと並んでAnnapurna Gamesの名前がある。開発のScreen Burn Interactiveは2025年7月23日にNo Codeから改名したグラスゴーのスタジオで、『Stories Untold』『Observation』を作った面々。つまりこれは、コナミの看板を借りたインディー気質の作品ということ。舞台は超一流、後半の設計は粗い。各媒体がそろってそう書いたのは、出自を考えれば腑に落ちる。
3年連続で秋に新作、「年1本」発言のあとの1本目も9月に間に合った

2024年10月、2025年9月、2026年9月。実績として、有料の新作が3年続けて秋に出た。シリーズプロデューサーの岡本基が2025年末のファミ通インタビューで語った「年に1本程度のペース」(Push Squareが報じた)は将来の目標として出た言葉だけど、発言後の1本目である『Townfall』もきちんと年内、それも前作と同じ9月に間に合っている。しかも『2』リメイクはBloober Team、『f』はNeoBards、『Townfall』はScreen Burnと、毎回別のスタジオに任せて、有料3作に限れば外れを1本も出していない。ここは素直にすごい。毎回別の外部スタジオに丸ごと任せて、3年続けて外していないホラーシリーズは、正直思いつかない。
『f』と『Townfall』が同じ9月24日というのも偶然じゃないでしょうね。秋の定位置を固めにいっている、というのがわたしの読み。今年に限って言えば、『バイオハザード』の映画が9月の話題を持っていった直後に本家ホラーの新作が来る形になった。9月3日のState of Playの直後に自社番組をぶつけたのと同じで、今のコナミは日程の取り方がうまい。
問題は点数の傾きのほう。87、86、82と下がっているのは、質が落ちたというより「毎回違うスタジオに任せる」方式の振れ幅がそのまま出ている数字で、今回は振れが下に出た。次の1本を誰に任せるかで、この復活が「シリーズ」になるか「当たり外れの福袋」になるかが決まる。
そして目の前の疑問はもっと小さい。31件で82点のこの数字は、発売後に100件を超えたとき、『f』の86点に寄るのか、それとも70点台に落ちるのか。ステルスの不満に発売日パッチが入るのかどうかも含めて、9月24日の夜にはもう少しはっきりする。件数が100件を超えた時点で、上の表はこの記事の側で引き直す。
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出典
- OpenCritic: Silent Hill: Townfall/Silent Hill f/Silent Hill 2/The Short Message
- PC Gamer: Silent Hill: Townfall review
- VGC: Silent Hill Townfall review
- GameSpot: Silent Hill: Townfall Completes The Series’ Comeback
- Game Informer: Silent Hill: Townfall Review
- GamesRadar+: Silent Hill Townfall review
- Push Square: Silent Hill: Townfall (PS5) review
- Insider Gaming: Silent Hill: Townfall Review
- PlayStation Blog JP: PS5向け機能と価格/発売日決定の告知
- Gematsu: No Code rebrands to Screen Burn Interactive
- Push Square: Silent Hill Producer Aims to Release One New Game Per Year