先に書いておく。この記事でした予想は、見事に外れた。
これは2026年8月20日、Grinding Gear Games(GGG)が『Path of Exile 2』の新情報をgamescom 2026で公開すると発表した時点で書いた記事だ。当時この場所で「本命は11月のExileConだろう、gamescomは予告編にとどまるはずだ」と書いた。実際には正式版1.0の日付も基本無料化もgamescomで出た。記録として残しておく。
予想と、実際に起きたこと
| 当時の予想 | 実際 | 判定 |
|---|---|---|
| 1.0の時期表明はExileConまで温存される | gamescomで12月11日と発表 | 外れ |
| gamescomは0.5.5のお披露目にとどまる | 1.0本体の発表の場になった | 外れ |
| 未実装の基本クラスの追加が焦点になる | 新クラスとしてデュエリストが実装決定 | 当たり |
当時、GGGが予告していたこと
発表はPath of Exile公式フォーラムと公式Xを通じて行われた。gamescom 2026の「Opening Night Live」枠での公開で、配信は現地時間8月25日午前11時(太平洋時間、日本時間だと26日未明)からgamescom公式Twitchチャンネル。

当時最新だった「Return of the Ancients」のトレーラー。この時点ではまだ1.0の話は出ていない。
現地では会場のHall 6.1 | B031ブースで「イベント限定の特別デモ」をプレイできるとされ、コミュニティマネージャーのNatalia氏は「私たちが取り組んできたものを皆さんと共有できるのが待ちきれない」とコメントしていた。メディアや配信者向けの体験枠も別途用意されていた。
いま振り返ると、この体制の厚さが答えだった。単なる小出しの告知に、専用ブースと限定デモとメディア枠まで用意するわけがない。目の前に置かれていたヒントを読み落としたということね。
当時の『PoE2』はどんな状況だったか
この時点の『PoE2』は、大型アップデート「Return of the Ancients(古の民の帰還)」こと0.5.0世代の中盤から終盤にあたる時期だった。直近では不具合修正中心のパッチ0.5.4fが配信され、次の大型パッチ0.5.5に向けた地ならしが進んでいる、という段階だ。
「Return of the Ancients」の発表時には、コミュニティマネージャーのKelly氏が「これまでで最大級の拡張のひとつになる」と語っている。
噂されていた中身と、「欠けたクラス」問題
当時、海外コミュニティやリーク情報筋では0.5.5について様々な予測が飛び交っていた。弓と機動力に特化したレンジャー系統の新アセンダンシー、精霊・召喚寄りのドルイド系派生、混沌属性を絡めたダガー系アーキタイプ。加えて、力尽きたときに「どの攻撃・どのダメージ種別が致命傷になったか」を可視化する死亡サマリー機能や、NVIDIAとの協業によるクラッシュ・カクつき対策も話題に上がっていた。
そしてもうひとつ、根強く語られていたテーマがあった。『PoE1』ではおなじみの基本クラス——「デュエリスト」「シャドウ」「テンプラー」「マラウダー」——が『PoE2』にはまだ実装されていない、という問題だ。
ここは当たった。gamescomで発表された1.0の新クラスは、まさにデュエリストだった。
噂そのものは、けっこう当たっていた
面白いのは、外したのが「発表の場所」だけで、中身の噂はかなり的中していたことだ。当時コミュニティが挙げていた項目を、いま分かっている範囲で照合するとこうなる。
- 死亡サマリー機能 → パッチ0.5.5で「Dead Summary」として実装が進む。的中
- 精霊・召喚寄りのドルイド系派生 → Druidの新アセンダンシーが登場。的中
- 弓と機動力に特化したレンジャー系統 → Arcane Archerとして形になった。ほぼ的中
- 基本クラスの追加 → デュエリストが1.0の新クラスに。的中
- 混沌属性のダガー系アーキタイプ → 現時点では確認できていない
- NVIDIAとの協業によるクラッシュ対策 → 以前から取り上げてきた「デバイス削除」問題の流れで、対策は継続している
つまりコミュニティの読みは、機能の中身についてはかなり正確だった。外れたのは「いつ・どこで言うか」という一点だけ。この非対称は覚えておく価値があると思っている。ゲームの中身はデータマイニングやパッチノートの断片から推測できるけれど、経営判断としての発表タイミングは外からは読めない。
編集部の反省:会社の過去を見て、発表の中身を見ていなかった
予想を外した理由ははっきりしている。「大型発表は自社イベントで打つ」という過去のパターンに寄せすぎた。
GGGは2026年11月7〜8日にニュージーランド・オークランドで3回目の「ExileCon」開催をすでに発表していて、過去2回とも大きな動きがあった舞台だ。チケットは今年2月の時点で販売が始まっている。だから「1.0のような大玉は母体イベントまで温存するはず」と考えた。会社の歴史から見れば、それ自体は不自然な読みじゃない。
見落としていたのは、今回の発表の中身が基本無料化だったことだ。
ExileConに集まるのは、すでにこのシリーズを深く遊んでいる人たちだ。そこで「無料になります」と言っても、いちばん届けたい相手にだけ届かない。無料化はまだ触れていない層に向けた札で、それを打つならgamescomのように広い観客がいる場のほうが遥かに効率がいい。
発表の中身が変われば、最適な舞台も変わる。会社の過去パターンだけで場所を予想したのが甘かった。
そのうえでGGGの判断を褒めておきたい。自社イベントという一番おいしい花道を、自分から捨てている。ExileConは会社にとって年に一度の祭りで、そこで大玉を打てば身内は最高に盛り上がる。それを我慢して、盛り上がりの薄い外部イベントを選んだ。届けたい相手を優先した判断で、地味だけど相当に冷静だ。
外れた予想を消さずに残す理由
この記事は、予想が外れた部分を削らずに残している。
後から静かに書き換えて「最初から知っていた」顔をするのは簡単だ。でもそれをやると、この場所で読める予想の価値が全部なくなる。当たったときだけ残る予想は、予想じゃなくて自慢だ。
ExileConはまだ残っている
とはいえ、11月7〜8日のExileConが消えたわけじゃない。1.0の日付が先に出た以上、あちらでは中身の話——エンドゲームの構成、リーグ運営の方針、無料化後の課金設計——が扱われる可能性が高い。

順番で言えば、ExileConは1.0発売の約1か月前に来る。発売直前に開発者が集まって話す場、という位置づけになったわけだ。結果的にはそのほうが盛り上がる並びかもしれない。
ハクスラ市場全体で見ると、この秋から年末は日程がかなり密集している。『Diablo 4』のSwitch 2版とされる9月の動きもあり、両タイトルは過去にも新クラス実装が丸1日と空けずにぶつかった経緯がある。互いの日程を意識し合う関係は、今年も続きそうだ。
次にこの欄で答え合わせをするのは、ExileConの中身になる。