企業がどれだけ黙っていても、世界のどこかの審査機関が先に喋る。
『Diablo IV』がNintendo Switch 2向けに9月中旬にも出るという情報が、海外で一気に広がった。BlizzardからもNintendoからも公式発表は一切ない。この時点では全部が未確認の噂だ。それでも「ただの噂」と切り捨てにくいのは、裏付けの積み上がり方があまりに整っているからね。
9月15日か18日。リーカーは日付を2択まで絞ってきた
火付け役はフランスの情報サイトDealabsに寄稿するリーカー「billbil-kun」。ハードとソフトのリーク精度で定評のある人物だ。
報じた内容は「Diablo IVがSwitch 2向けに9月15日、または9月18日のいずれかで発売される」。本人も「どちらの日付が正確かはまだ断言できないけど、間違いなくこの2日のどちらかだ」とコメントしている。
Diablo公式チャンネルの拡張シネマティック。Switch 2版に同梱されるかどうかが焦点になっている拡張だ。

価格は北米69.99ドル、欧州69.99ユーロ、英国62.99ポンド。PC・PS5・Xbox Series X|S版と同水準で、Switch向けだから安くなるということはないらしい。物理パッケージも用意される見込みだけど、中身はゲームカードではなくダウンロードコードだけの「コード・イン・ボックス」形式になる可能性が高いとのこと。棚に並べたい派にはつらい話ね。
台湾・インドネシア・タイ。3か国の審査記録が同じ方向を指した

この噂を支えているのが、第三者機関の記録だ。
まず2026年4月末、台湾の娯楽ソフトウェア格付け情報委員会がDiablo IVをSwitch 2向けとして格付けしていたことが、後になって発見された。暴力表現・恐怖表現・不適切な言語を理由に「R」相当が付いている。実機での動作を前提に審査が進んでいたということね。
そして8月に入ってから、インドネシアとタイの審査機関でも同様のリークが相次いで報告された。独立した複数の情報源が、同じ結論を指している。
レーティング取得から実際の発売までは通常1年前後かかると言われるけれど、台湾での格付けが4月だったことを踏まえると、9月発売という時期は辻褄が合う。
企業がどれだけ黙っていても、制度は喋る
ここが今回いちばん面白いところだと思っている。
ゲームを各国で売るには、その国の規制に沿ったレーティング審査を通さないといけない。そして審査の記録は、多くの国で公開される。つまり企業がどれだけ厳重に情報を管理しても、売るために踏まなければならない手続きそのものが痕跡を残す。
NDAを結べる相手なら口を塞げる。でも各国の審査機関は取引先じゃない。法律に基づいて動いている行政の側だ。ここは黙らせようがない。
だからこの手のリークは、社内から漏れる情報とは性質がまるで違う。誰も裏切っていないのに漏れている。企業からすれば、これほど理不尽な話もないと思う。
編集部の見解:この仕事の精度は、素直にすごい
皮肉抜きで褒めたいのはbillbil-kunの仕事だ。
「9月15日か18日のどちらか」という絞り込みは、当てずっぽうでは絶対に出せない。価格を3通貨で並べ、パッケージ形式まで踏み込み、そのうえで断言できない部分は断言できないと明示している。これは推測を売る人間の作法として、かなり真っ当だ。
ゲーム業界のリークは「言ったもん勝ち」で回っている面があって、外れても誰も覚えていない、当たれば実績になる、という構造で成り立っている。その中で自分の確度を正直に開示するのは、地味だけど貴重な姿勢ね。
Blizzard側の段取りも、噂どおりなら悪くない。BlizzCon 2026が9月12日・13日、そこから数日で発売という流れになる。発表から発売までを一気に駆け抜ける形で、期待だけ煽って何年も待たせる最近の風潮とは真逆だ。もし本当にこの日程なら、ここは評価していい。
携帯機とシーズン制の相性は、たぶん想像以上にいい
移植が実現した場合のインパクトは、たぶん多くの人が思っているより大きい。
Diablo IVはシーズン制のライブサービス型で、繰り返し周回してビルドを育てるゲームだ。この「短い時間を何度も積む」構造は、いつでも起動できる携帯機と噛み合いすぎている。通勤中にダンジョンを1つ、寝る前にもう1つ。そういう遊び方ができるようになると、既存プレイヤーの総プレイ時間そのものが底上げされる可能性がある。
シーズン制のゲームにとって、プレイヤーが離れる最大の理由は「起動するのが面倒」だ。その障壁を物理的に下げられるなら、新規獲得より効くかもしれない。
一方で分からないことも残る。拡張コンテンツ「Lord of Hatred」が同梱されるのか別売りなのかは、この時点では不明のままだ。
ライバルはまだSwitch系に手を出していない
もうひとつ気になるのが、『Path of Exile 2』の動きだ。
あちらはPC・PS5・Xbox向けにシーズン制コンテンツを展開しているものの、Switch系ハードへの対応はまだ発表されていない。もしDiablo IVが先に携帯機を押さえれば、「外でも遊べるハクスラ」という枠を丸ごと取れることになる。ハクスラ市場の勢力図が、ハードの側から動く展開もあり得るわけね。
ちなみにDiabloとNintendoの関係は今回が初めてじゃない。『Diablo III』とその拡張は初代Switchに移植された実績がある。『エルデンリング』の完全版もそうだけど、Switch 2に大作が集まる流れは、もう例外的な出来事ではなくなってきている。
この噂は、その後こうなった
最後に付け加えておく。この記事を書いた8月14日時点では「9月15日か18日」という2択だった。
その11日後、同じリーカーからより具体的な情報が出た。日付は9月15日に絞られ、タイトルは「Diablo IV: Age of Hatred Collection」、拡張2本を同梱、予約開始は9月12日。曖昧だった部分が、きれいに埋まっていった。
リークが段階的に具体化していく動き方そのものは、実際に出る企画によく見られるパターンだ。それでも公式発表が出るまでは噂は噂だけど。