PoE2『禁じられた儀式』9月4日開幕、正式版までリーグ2本を並走させる

Grinding Gear Gamesが9月4日から始める『パス・オブ・エグザイル2』のイベントリーグ「禁じられた儀式(The Forbidden Rites)」で、いちばん引っかかるのはコンテンツの中身ではない。このイベントが終わるまでの98日間、PoE2はリーグを2本同時に走らせるという点だ。

公式FAQにはこう書かれている。禁じられた儀式は12月11日の正式版1.0まで走り、現行の「Runes of Aldur」リーグも同じ日まで消えない。つまり9月4日以降、プレイヤーは新しい経済がゼロから始まるイベントリーグと、3か月遊び込んだ手持ちのキャラクターが残る現行リーグの、どちらに時間を注ぐかを自分で決めさせられる。12月11日の正式リリースと基本無料化をお伝えした記事の続報にあたる話ね。

98日間、リーグが2本並走するという判断

開幕は太平洋夏時間の9月4日13時。日本時間なら9月5日の午前5時で、金曜の夜に張り込む欧米組と違い、日本のプレイヤーは土曜の早朝に叩き起こされる形になる。プライベートリーグの購入だけは8月31日から先行して開いているが、当然ながら4日までは中に入れない。

並走そのものは、GGGにしては珍しく安全側に倒した判断だと思う。正式版まで残り3か月という時期に現行リーグを畳んでしまえば、12月11日を待たずに離脱する層が確実に出る。かといって新規の入口を用意しなければ、Early Accessの終盤に触ってみたい人間が入る場所がない。両方残すのは理屈が通っている。

ただし理屈が通ることと、人が分散しないことは別だ。取引を前提に設計されたゲームで経済圏を2つに割れば、薄いほうの流動性は目に見えて落ちる。GGGはそこについて何も言っていない。

PoE2が2026年8月25日のgamescomでの1.0発表から、9月4日のイベントリーグ開幕、9月から12月のリーグ2本並走を経て、12月11日の正式版1.0に至るまでの日程を並べた年表
gamescomでの日付確定から正式版までの流れ。Loot Times作成

儀式は全アクトに戻り、1ラウンドに3〜4体のボスが出る

イベントの主役は、初代PoEでおなじみの「儀式(Ritual)」だ。キャンペーンの全エリアに祭壇が置かれ、そこを守る敵を倒してから起動すると、倒したはずの敵が蘇って再び襲ってくる。しかも儀式場には「危険な疫病」が広がるという追加の嫌がらせつき。報酬に使うトリビュートはパーティメンバーが各自で稼いで各自で使う仕様なので、味方に横取りされる旧来の不満は潰してきた。

PCGamesNによれば、儀式が出現するのは各アクトに2回と、3つの幕間にそれぞれ1回。1ラウンドあたり3〜4体のボスが同時に湧く構成で、PC Gamerはこれを見出しで「oops, all bosses」と評した。褒めておくと、この振り切り方はいい。半端な密度でお茶を濁すくらいなら、最初から詰め込んだほうがハクスラは面白くなる。

エンドゲーム側にはWildwoodがSacred Bloom経由で復活する。制限時間つきの小道を辿ってPrimal・Vivid・Wildの3種のウィスプを集め、モンスターを強化して報酬を増やす例のやつだ。まれに4種目のSacred Wispも現れる。加えてAtlas上には「Abyssal Ravines」という新しい地割れが生まれ、最終マップではボスの出現が保証される。

混沌の試練が30部屋に拡張、ようやく罰ゲームから降りる

個人的にいちばん大きいのはここだ。アセンダンシー解放のために踏まされる「混沌の試練(Trial of Chaos)」が、途中で一時停止できるようになり、目的も「敵を倒す」中心に整理される。部屋数は最大30まで伸び、1回の走破でトライアルマスターの断片3つを全部取れる。

これまでの試練は、防御40%減のような理不尽な修正因子を引かされた瞬間に走る意味が消えていた。PC Gamerの記者も、修正因子は序盤ほど緩くなり、代わりに戦利品の質が上がると説明している。要するに「運が悪いと1時間が無駄になる」設計を、GGGが自分で失敗と認めたということ。

ハクスラのエンドゲームで一番やってはいけないのは、プレイヤーに罰を与えることだ。

公式チャンネルのこの配信では、デュエリストの3つのスタンスの切り替えと、0.5.5で入る儀式・Wildwood・混沌の試練の変更点が実機で通して説明される。

デュエリストは9月4日には来ない、12月11日まで待たされる

gamescom Cologne 2026で公開された新クラス「デュエリスト」は、Ready Stance・Sand Stance・Blood Stanceを切り替えて技を繋ぐ設計で、映像を見るかぎり出来はいい。ところがFAQは、実装は12月11日の1.0からだと明言している。9月4日のイベントに新クラス目当てで飛び込むと、確実に肩透かしを食う。

一方で現行リーグの「Runes of Aldur」はコア化が決まった。エクスペディションがアクト4以降で常設になり、Expedition Tabletsで出方を調整できるようになる。イベント限定の仕掛けが恒常コンテンツに昇格する流れ自体は、Last Epochが新シーズンでやっていることと同じ発想だ。ジャンル全体が「使い捨てないリーグ」に寄ってきているのが分かる。

報酬まわりは控えめで、チャレンジ8個に対して装飾4種(Locust FootprintsとLocust Swarmのエフェクト、Wildwood Guardianのペット、Wildwood Afflictionのレベルアップ演出)と隠れ家の像。PCGamesNは、これはあくまでボーナス的なイベントであり、だからこそ現行のRunes of Aldurリーグが裏で走り続けるのだと整理している。正式なシーズンではなく、1.0までの空白を埋めるおまけという位置づけね。

禁じられた儀式の主要スペックを並べた表。開幕は9月4日13時PDT、パッチ番号0.5.5、会期は1.0まで98日間、チャレンジ8個で装飾4種、混沌の試練は最大30部屋、デュエリストの実装は12月11日から
公式発表から拾ったイベントの主要数値。Loot Times作成

公式が答えていない2点

FAQを最後まで読んでも、埋まらない穴が2つ残る。ひとつは、禁じられた儀式で育てたキャラクターとスタッシュが12月11日以降どう扱われるのか。GGGは「Runes of Aldurと同時に終了する」としか書いておらず、標準リーグへ移されるのか、それとも1.0の新規スタートに合わせて別枠に置かれるのかを明示していない。3か月遊ばせるイベントで、その3か月の成果物の行き先を伏せたままにするのは不親切だ。

もうひとつは経済の分断について。取引で成立しているゲームの通貨圏を98日間2つに割れば、どちらかは確実に痩せる。GGGはこの問いに、今のところ一行も答えていない。

出典