パス・オブ・エグザイル2、12月11日に正式リリースで基本無料化へ

2年間30ドル払って支えてきた人たちの目の前で、12月11日からタダになる。

gamescom 2026のOpening Night Liveで、Grinding Gear Games(GGG)が『Path of Exile 2』の正式版1.0を2026年12月11日(PST)にリリースすると発表した。2024年12月に始まったアーリーアクセスは、ちょうど2年でひと区切りということになる。新クラス、未実装だった最終2幕、そして基本プレイ無料化。この3つが同じ日に一度に来る。

12月11日、PC・PS5・Xboxで同時に1.0へ

1.0アップデートはPC(Steam / Epic Games Store)、PlayStation 5、Xbox Series X|Sで同時展開される。GGGはこのタイミングを「story-complete」——ストーリーが完結する節目、と位置づけていて、単なるバージョン番号の繰り上げではないことを強調している。

アーリーアクセス中はキャンペーンの終盤が未実装のままだった。今回そこに最後の2つのActが入り、ようやく物語を通しで遊べるようになる。2年間「途中まで」を遊び続けてきた人にとっては、ここが本当の完走ということになるね。

Path of Exile 2 正式版1.0の内容。リリースは2026年12月11日、対応機種はPC・PS5・Xbox Series X|S、新クラスはデュエリスト、最終2つのキャンペーンActを追加、基本プレイ無料化、アーリーアクセス期間は約2年
1.0で入るものの整理。Loot Times作成

Path of Exile公式チャンネルの正式版トレーラー。12月11日から基本無料で遊べる、という宣言そのものだ。

新クラス「デュエリスト」は、剣と盾の近接

目玉のひとつが新クラス「デュエリスト」。剣と盾を操る近接アタッカーで、素早く攻撃的、かつ柔軟に戦場をコントロールできるスタイルとされている。

設定も添えられていて、グランドアリーナでの栄光を求めて猛特訓を積んだものの、オリアスの陥落で逃亡を余儀なくされた人物、という背景を持つ。「自らを守れない者たちのために戦う」存在として描かれるらしい。ハクスラのクラス紹介にしては、ずいぶん人物像に踏み込んでいる。

約30ドルが0円になる

そして今回いちばん大きいのが、価格の話だ。

アーリーアクセス期間中は購入に約30ドルが必要だった。それが1.0からは基本プレイ完全無料になる。有料のサポーターパック的なものは引き続き用意される見込みだけど、「とりあえず入ってみる」ができるようになるのは決定的な違いだ。事前登録キャンペーンも走っていて、登録者には限定エフェクトやミニペットといった特典が用意されている。

ARPGは一度ハマると数百時間遊ぶジャンルで、逆に言えば入り口の30ドルが最大の関門だった。ここを外すのは、母数を一気に取りにいく判断ね。

先に金を払った人が損した気分になる構図ではあるけれど、そこは飲み込むしかない。アーリーアクセスの30ドルは「完成品の代金」ではなく「未完成のものを2年早く触る権利」の代金で、その2年分はちゃんと受け取っている。

無料化は強気に見えて、実は初代で検証済みの型

Path of Exileシリーズの歩み。2013年に初代がリリースされ10年以上リーグ更新を継続、2024年12月にPath of Exile 2がアーリーアクセス開始、2026年12月11日に正式版1.0で基本無料化
シリーズの時間軸で見た1.0の位置。Loot Times作成

「無料化」と聞くと博打に見えるけれど、GGGにとってこれは新しい賭けじゃない。

初代『Path of Exile』は2013年のリリース以来、基本無料で10年以上リーグ更新を続けてきた、業界でも屈指の息の長いタイトルだ。つまり「無料で入れて、外見課金と拡張で長く回す」という設計を、この会社は10年以上かけて実証済みということになる。2で同じ型に戻すのは、むしろ自然な帰結に見える。

1.0の発表でも「1.0パッチは長期サポートの始まりに過ぎない」というニュアンスが語られている。初代と同じ周期的なリーグ運営を2でも回していく、という宣言と読んでいいと思う。

直近のパッチ0.5.5で入ったものを見ても方向は一貫している。死因を細かく可視化する「Dead Summary」、Arcane ArcherとDruidという新アセンダンシー、そして初代でおなじみのHarbingerギミックとDivination Cards。初代の資産を2に移植しながら、遊びの回転数を上げにきている。

編集部の見解:10年かけて証明した型に、堂々と戻ってきた

まず評価したいのは、この会社が流行りの売り方に一度も浮気していないことだ。

この10年、ARPGの周辺では買い切り、シーズンパス、バトルパス、拡張別売り、あらゆる型が試されては消えていった。その横でGGGは「無料で入れて、外見課金で長く回す」を10年以上、同じやり方で続けている。初代が今も現役で回っていること自体が、その証明になっている。

2でアーリーアクセスの有料期間を挟んだのは、開発費を先に回収するための一時的な措置だったということね。2年で予定どおり本来の型に戻す。ブレていない。ここは素直に信頼していい部分だと思う。

そのうえで気になっているのは、無料化のあとに何で稼ぐのかがまだ具体的に見えていないことだ。

初代の型をそのまま持ってくるなら外見課金とスタッシュ拡張が柱になるはずだけど、2はグラフィックも演出も初代より遥かに重い。開発費の桁が違うものを同じ課金設計で支えられるのか、というのは正直まだ分からない。1.0はゴールというより、その答え合わせが始まる日だと思っている。

競合の状況も無視できない。『Diablo 4』は季節ごとのシーズンモデルでプレイヤーを抱え続けているし、『Last Epoch』も10月に新シーズンを控えている。年末のハクスラ市場は相当混み合う。そこに「無料」という札を切って割り込むのは、理にかなってはいるけれど余裕のある動きではないはずだ。

ちなみに同じOpening Night Liveでは『FF7 リベレーション』の同時発売発表も出ていて、この日は大型タイトルとハクスラが同じ枠で殴り合う格好になった。

無料化で本当に変わるのは、たぶん経済のほう

もうひとつ、あまり語られていない論点がある。

Path of Exileというシリーズは、プレイヤー同士のアイテム取引が遊びの中核に食い込んでいる。装備を掘って、余ったものを売って、目当てのビルドパーツを買う。この循環が回っているからこそ、何百時間も遊べる構造になっている。つまり市場の健全さがそのまま遊びやすさに直結するタイプのゲームだ。

そこにアカウント作成のコストがゼロになったらどうなるか。新規が増えて流通量が厚くなり、欲しいものが手に入りやすくなる——という良い方向は当然ある。一方で無料アカウントが無制限に作れる環境は、業者にとっても入り口がゼロになる。自動収集も現金取引も、まとめて敷居が下がる。初代が10年かけて殴り合ってきたのがまさにこの問題で、2でも同じ戦いが初日から始まると考えたほうが自然だ。

GGGはこの点について、少なくとも今回の発表では具体的な対策に触れていない。1.0の評価を左右するのは新クラスやActの出来より、案外このあたりかもしれない。

12月11日という日付の選び方

リリース日にも意図を感じる。12月11日は、年末年始の長期休暇に入る直前だ。

ハクスラは「まとまった時間があるときに始める」ジャンルで、しかも今回は無料。休みに入る直前に入り口を開けておけば、休暇中にキャンペーンを走り切って、そのままエンドゲームに沈む人が出てくる。8月25日の生配信から逆算しても、この時期に合わせて情報を積み上げてきたのが分かる。

コミュニティ施策も並行して動いている。gamescom期間中はHall 6.1に未リリースコンテンツの試遊ブースが置かれ、期間限定のTwitchドロップでは通常のルートプールでは手に入らない限定コスメティックが配られた。競技側では「ExileCon」予選大会もオンラインで開催されている。

次に確かめたいのは、無料化後の課金メニューが具体的にどうなるかだ。そこが出るまで、この発表の評価は半分しか下せない。

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