7年ソニーの囲いの中にいた三部作が、最後の1作でようやく外に出る。
gamescom 2026のOpening Night Liveで、スクウェア・エニックスが『FINAL FANTASY VII REVELATION(ファイナルファンタジーVII リベレーション)』の新トレーラーを世界初公開した。ウェポン戦、新召喚獣、新プレイアブルキャラ——映像そのものも見どころだらけだったんだけど、この記事で一番時間を割きたいのは発表の最後に置かれた1行のほうだ。
PS5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2、PCで2027年春に完全同時発売。『リメイク』の2020年から数えて7年、このシリーズがはじめてPlayStation以外のハードで発売日を迎える。
ウェポン3体、砂漠と水中と空中で
トレーラーをステージで披露したのはディレクターの浜口直樹氏。セフィロスが引き起こした隕石召喚に対抗して惑星が生み出す「ウェポン」——ルビー、エメラルド、アルテマの3体との激闘が、映像の背骨になっていた。
目を引いたのは戦闘そのものより、その舞台だ。砂漠、水中、空中。3体それぞれにまったく違うロケーションが割り当てられている。原作でウェポンが「終盤にマップ上をうろつく強敵」だったことを思い出すと、これはかなり大胆な作り替えで、完結編のボリュームを見せる材料として意図的に選ばれた画だと思う。
戦闘の新要素としては、新召喚獣「タイフーン」がティファの手で呼び出される場面が公開された。既存の召喚獣とは攻撃パターンが違うことがうかがえる見せ方で、ここも完結編らしく「まだ出していない札がある」ことを示すカードとして使われている。
「FITS」はジョブシステムの復活なのか、別物なのか
今回初公開されたシステム「FITS」は、装備するとキャラクターごとに専用アビリティと役割が変わる仕組みだ。トレーラーではクラウドが剣士風、ティファが黒魔道士風の装いで戦っていた。
説明を聞くかぎりジョブシステムに近い。ただ、FF7のリメイク三部作はこれまで「キャラ=役割」が固定されているのが特徴で、クラウドは前衛、ティファは近接、エアリスは魔法、という前提のうえでマテリアが味付けをしていた。そこに衣装ごと役割を差し替える仕組みを入れるとなると、三部作の設計思想をわりと大きく動かすことになる。
完結編で新システムを足すのは、正直かなり危ない橋だ。3作目まで積み上げてきた手触りを、最後に自分で壊す可能性がある。ここは実際に触るまで評価を保留したい。
ヴィンセントとシドが、ようやく操作できる
物語面での目玉は、ヴィンセント・ヴァレンタインとシド・ハイウインドがプレイアブルキャラクターとして加わること。『リバース』までは操作できないか、登場が限定的だった2人だ。原作でこの2人が本格的に動き出すのは終盤なので、三部作の区切り方としては素直な配置と言える。
探索面では飛空艇ハイウインドを軸にしたシームレスなオープンワールドが強調されていた。パラシュートでの降下、グラップリングフックでの移動、チョコボ騎乗——移動手段を並べて惑星全土を飛び回れる、という見せ方だ。加えて『インターグレード』『リバース』のセーブデータを引き継ぐと、チョコボ&モーグリ召喚獣とフェニックス召喚獣が使えるようになる特典も用意されている。
PS独占だった三部作が、完結編だけ4機種同時になる
ここが今回いちばん大きな変化だ。3作を並べて整理してみた。

| 作品 | 発売 | 初出時のプラットフォーム |
|---|---|---|
| リメイク | 2020年 | PlayStation独占(時限) |
| リバース | 2024年 | PlayStation独占(時限) |
| リベレーション | 2027年春 | PS5 / Xbox Series X|S / Switch 2 / PC(Steam・Epic・Xbox PC)同時 |
『リメイク』『リバース』はいずれもソニーの資金協力を受けたPlayStation独占(時限)というビジネスモデルだった。それが完結編で、4プラットフォーム同時に切り替わる。浜口ディレクターは「シリーズを支えてくれたファンへの感謝を込めて、同時発売を発表できることが本当に嬉しい」という趣旨のコメントを残している。
独占をやめた理由を、公式は説明していない
感謝、というのは挨拶としては分かる。ただ、それは理由の説明ではない。
推測になるけれど、完結編という商品の性質が効いているはずだ。三部作の3作目は、前2作を遊んでいない人にはまず売れない。つまり伸びしろがあるのは「1作目・2作目を別ハードで遊びたかったのに遊べなかった層」のほうで、そこを取りにいくなら独占契約の見返りより間口の広さが上回る、という計算は成り立つ。
身も蓋もなく言えば、ソニーが出す金より、他ハードの客のほうが多くなったということね。
この動き自体は業界全体の流れとも合っている。当ブログで取り上げた『エルデンリング』完全版のSwitch 2展開もそうだし、看板タイトルほど「まず遊んでもらう」方向に振れてきている。ハードで客を縛るより、長く遊ばせて回収する。そちらのほうが得だという判断が、大手の間で共有されつつあるように見える。
PlayStation Japanが一瞬「PS5独占」と書いてしまった件
この発表、実は直前に小さな混乱があった。PlayStation Japanの公式ページに一時的に「PS5独占」と誤記載され、すぐ訂正されたことが海外メディアで報じられている。
笑い話として流してもいいんだけど、これはかなり象徴的だ。長年PlayStation専売だった看板作品のページで、テンプレートの「独占」表記が反射で残ってしまった。手癖が出るくらいには、このシリーズは独占が当たり前だった。ファンの間でも「本当にXboxやSwitch 2でも同時に遊べるのか」と半信半疑の声が出ていたと報じられている。それだけの方針転換ということね。
編集部の見解:7年の付き合いを、最後に全員に開いたのは立派だ

まず、同時発売という判断をきちんと褒めておきたい。
三部作の完結編を独占で出すのは、実は一番安全な選択だ。買うのは前2作を遊んだ人だけで、その人たちはすでにPS5を持っている。他ハードに広げても新規はほとんど増えない。だから完結編こそ独占のままにしておくのが、短期的には合理的だった。
それをやらなかった。「7年付き合ったこの物語の結末を、遊びたい人全員が遊べる場所に置く」という判断のほうを取っている。7年前に別のハードを選んだせいで1作目に入れなかった人が、いま『リメイク』から順に追いかけ始められる状態になった。作品の寿命の話としても、これは正しい。
そのうえで内容の話をすると、今回の発表は「足し算」の情報がとにかく多い。プレイアブル2人追加、ウェポン3体、新召喚獣、新システム、飛空艇によるオープンワールド、引き継ぎ特典。
ただ、2作目『リバース』にはオープンワールド化でボリュームが膨れすぎたという声があった。ミニゲームを詰めるほど本筋が遠のく、というやつね。そこにさらに足していく方向でいいのか、というのが正直な引っかかりだ。
完結編に求められているのは、たぶん物量じゃない。原作終盤の「北の大空洞」やセフィロス戦を、三部作ぶんの積み重ねに見合う密度で描き切れるかどうか——評価はほぼそこで決まると思っている。今回のトレーラーがウェポン戦という「終盤らしい緊張感のある画」を中心に据えてきたのは、その意味では正しい見せ方だった。
もうひとつ気になるのは開発規模だ。プレイアブルが増え、FITSのようなカスタマイズ要素が加わり、そこに4プラットフォーム対応が乗る。2027年春という発売時期がこのまま動かないかは、正直まだ分からない。超大作の発売時期が動くのは珍しくなくて、当ブログで追いかけている『GTA6』も延期を重ねてきた一本だ。
次に情報が出るのは9月のPAX West
今年のOpening Night Liveは『パスオブエグザイル2』の正式リリース日も飛び出した回で、大型タイトルとハクスラが同じ日に並んだ格好になった。そのなかでスクウェア・エニックスは、9月開催のPAX Westで専用パネルを予定しているほか、東京ゲームショウへの出展も見込まれている。gamescom会場では浜口ディレクターのサイン会も実施され、プロモーションはすでに本格化している。
次に確かめたいのは2つだ。FITSが実際にどこまでキャラの役割を動かすのか。そして「2027年春」が何月何日に固まるのか。
後者のほうが心配だと思っている。
出典
- Square Enix North America Press Hub — FACE THE LEGENDARY WEAPONS IN FINAL FANTASY VII REVELATION NEW TRAILER
- WCCFTech — FFVII Revelation gamescom Trailer Showcases The Weapons, Typhon, And Job-Inspired FITS
- GosuGamers — FFVII Revelation gamescom trailer shows off Weapons, superbosses and more
- Siliconera — See the gamescom 2026 FFVII Revelation Trailer
- Windows Central — Final Fantasy returns to Xbox with a huge day one launch as FFVII Revelation breaks exclusivity
- MobileSyrup — Final Fantasy VII Revelation gamescom 2026 trailer